住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

Endless SHOCK 2016 2月19日夜

2016年のSHOCK行ってきました。

帝国劇場から東京宝塚劇場のあたりまでは父が生前「あそこは東宝村だよ、ほら東京宝塚の略だろう」と言っていたように、かなりの建物が建て替えられてもその雰囲気は残っている。劇場の街って大事とつくづく思う。帝国劇場1階階段脇にある阪急創始者小林一三さんの銅像を撮ってきた。すみれのは〜な〜さく〜ころ〜。

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幕が上がる前のスクリーンに今日の日付と通算上演回数が表示されていて、記憶より記録という言葉がうかぶ。東宝さんのドル箱であるところの2つの舞台「ラ・マンチャの男」と「Endless SHOCK」は確か同一人物単独主演の通算上演回数を競っている。光一さんの年齢を考えると、SHOCKがいずれその記録を塗り替えたままになるのだろうか。

昨年の事故について幕開け前は気になるかなと危惧していましたが、杞憂でした。そして記録も大事だけれど、ひたすら生はいいよと言いたい。

自分にしか見えない感じられないSHOCKが観られるよ。誰を見てもいいし見なくてもいい。舞台映像はどうしたって編集したひとの主観が入るし俯瞰でも観られる。ただものによっては、薄味や濃い味付けのものを食べているみたいな気持ちになる。

SHOCKに関しては頑張って編集しても、ジャパネスク・ショーのところの殺陣の多角的多層的な部分はなかなか伝わらないと思う。観るこちらも目は2つしかないから、大変極まりない。廻り舞台かつセリが上下して多くの人数がうごめく中、長い時間立ち回りをやることのすごさ。

歌舞伎の立ち回りの立ち役はほとんどその場を動かず、与天など切られ役のみなさんが奮闘する。歌舞伎というのは、人が演じる立体でありながら平面なんですよ。背景は書き割り、あかりも、なまあかりだしね。(影が出ないように)文楽も同様。この色鮮やかな浮世絵な世界が大好き!なんですが、それは別の話。

20代から40代のひとが主役のTVや映画の時代劇は、今は殺陣というよりアクション。アクションがいけないのではなく、今は映像技術と立ち役(主演)自身の殺陣に対する意識が高まり、身体能力を上げ武術のレパートリーを多様化した殺陣師が取り組むので立体的な動きの展開が作りやすい。ただ、これはアクションだなと思うのです。

SHOCKの殺陣は光一さんが「エンターテイナーの条件」で語っているようにどちらかと言うと昔ながらの「殺陣」に近いです。ただ本当に手数が多い。そして刀のかたちが、常時観客側から綺麗に見えます。個人的には柄を握り直す時の効果音が、効果音だとわかっていても好み。TV時代劇で育っているし市川雷蔵さんが好きなのもあります。

SHOCKは生でやっている殺陣は15分くらいかな?を飽きさせずストーリーも含めて見せるのがうまいなと何度観ても思います。話をまるっと知っていて何度(今年で5年目になりましたよ、自分でもよく続くと…)観ていてもそう思うんですよ。。ここですばっと切って見得!じゃないですけれど、光一さんや屋良さんに関してはそういう止まるところがあっても流れは途切れず、逆にあらゆる角度で止めてストップモーション(コマ送り)にしても見応えがある画が撮れる。

(申し訳ないですが、うちさんに関しては1度しか観ていないので割愛。)

お話の流れとは関係なく装置展開や殺陣の動きが止まったり暗転すると、観客が我に帰る時間を与えてしまいます。これを極力なくすように(すべてが動きの中で行われる)しているから観やすい。出演者も演出の一部として装置を動かします。

そこで2部のパネルの事故が起こったとも言えますが、その箇所は今年パネルは使わずにとても見応えのあるショーになっていました。パネルがない分視界良好。そして屋良さんがダンスではなく日舞だなと感じられる動きになってました。扇の使い方といい完成されてた!

照明に関してはLEDの背景が強烈な色の洪水になっているショーの箇所があるので(旧AMERICAの箇所など)、バックステージ時は光量を抑え目にして、とメリハリが効いていました。大桜からCONTINUEのあたりはもっと明るかった気がするのですが、気のせいかな。

ただ今回席が1階の後ろ下手側だったので、位置によって見え方聴こえ方は違うでしょう。

ちょっと今回感じたことを列記。

劇中劇だし役名がそのままだからちょっとあれですが、光一さんが若いのではなく、若い「コウイチ」を演じているとはっきり感じました。身体能力としてはまだまだいけるのでしょうが。そりゃ当たり前なんだけどねぇ。SHOCKを初めて観るひとでも、どこから見ても楽しく考察しやすくなっていくということでしょうね。

今年の屋良さん、さらに余裕がにじみ出るたたずまいと髪型好み!ヤラは本当に暴走するコウイチの犠牲者のひとりよね…と思うに至る。そういうヤラとコウイチの関係性になっている。

フッキングが下手側だとよく見えて、肩をぽんぽんしているのが改めていのちを預けているのよねという感慨を生む。

たつみとこっしーが見たいなとちょっと探した時があって、のんちゃんときしくんが探さずに目についた。ダンスではつ〜ゆ〜が上手いのは当然なんだけれど、必死さって目立つんだね。

Dead or Alive  背景である十字架の照明がコウイチにかぶさっていてやっぱり「磔刑」なのね…と思うのだった。文字通り生死をさまよっている場面だからよけいに。

夜の海、赤い衣装のダンサーさんとコウイチが踊るのをカンパニーが見守る箇所で、あの赤いダンサーさんは人外のものなんだなと思った。赤い死の気配。

ここまで死の気配が濃厚な舞台なんだなぁと少し元気になったから感じるのかもしれない。去年の今頃は仕事のことで途方にくれていたから。1年経ってよかったな、またSHOCK観られてよかった。

あと、うちさんが観劇におみえだったのは絶大な相乗効果を生んだと思う。そういう時に当たってラッキー。

3月は上手側の席なので、また追記すると思います。