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住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

RED@新国立劇場小劇場 9月5日 昼

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RED行ってきました。まだ体調よれよれでありつつも、行ってよかった。

小栗旬さんと田中哲司さんの2人芝居。
お芝居は、お客さんにちょっとげーじつ、哲学や文学に触れた気持ちにさせることってたまにはいいのかも。
ひとのこころをどん!と突き動かすことも、もちろん大事なんだけれど。
この話は無理なく普遍的なテーマのストレートプレイを観た!という気持ちにさせる。
わたしはロスコって画家は名前を知っているという程度での観劇だったので、申し訳なかったよよよ。
千葉の佐倉にロスコ作品を展示している

DIC川村記念美術館

があるそうで、行ってみたくなる。
普遍的なテーマとは、思いつくままに父と子(疑似含む)の関係性、世代相違によるせめぎ合い、陰と陽(内と外のイメージ)かな。今まで男性2人だと身体の使い方やお互いの呼吸で、うまく攻撃と防御(緩急とも言う)ができるお芝居を観てきたので、2人芝居は「男女」か「男男」がおすすめです。
「女女」もものによっては悪くはないのだけれど、2人が同じ役をやり続けるタイプはあまり向かない。
この間のメアリ・スチュアートのように、2人で何人もの役をやるほうが観る方も観やすい。女性が社会的にも生きるようになってきた現代劇だとまた違うのだとは思う。わたしがたまたまそういうお芝居を観ていないだけでね。
ということで、とある事情で絵を描き進めづらくなった画家とアシスタント募集でやってきたケンとのお話です。
タイトル通り「RED」がさまざまなシーンでの鍵になるし、2人がかりで大きなキャンバスに赤を刷毛で隅々まで塗り尽くすシーンもあります。今回友人の運の良さで、席が最前列の真ん中ですばらしく観やすかったです。田中さんの汗が飛ぶところや小栗さんの体格が素晴らしいことなど、久々に舞台を観る醍醐味を味わいました。
ロスコが絵を見つめるところからはじまり、同じようにでもまったく違う気持ちと視線で絵を見つめるところで終わる。
小栗さん演じるケンが素直に観客をロスコの絵画世界へ誘います。そしてケンと長い旅をしてきたような心地よい疲れを覚える。
途中2人が本当に食事をしながら台詞を言うシーンがあり、演じる役の上での2人の関係性が進展しつつあることがわかり、観客も少し緊張がほぐれ、観客の反応がダイレクトに伝わるいいシーンだったと思う。
 あまり食事したり飲みものを飲んだりすることは舞台上ではしないと思うけれど、今回はとても効果的だった。台詞を正確に言うというより、その場面では役の中で生きることが優先されていた。
あ、でも同じ小川絵梨子さん演出のロンサム・ウェストは少し食事シーンで本当に食べていたかも。そういう「生」をうまく演出できるひとなんだと思う。
今回戯曲に真摯に向き合ったことから生まれたであろう緻密さが感じられた。身体に台詞がなじんでいた。初日は避けたしね。
絵や芸術について内向きに苦悩する画家を描きつつ、感覚が内ではなく外に向かっているアシスタントの目線で描くので後味はよろしい。
2人芝居の濃厚さをかみしめつつ。小栗さんが年齢と経験を重ねてロスコの役をやるところも観てみたくなったよ。