住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

ショーガール@パルコ劇場 8月22日

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8月はパルコ劇場、歌舞伎座に限らず暑い中お客様に来ていただくにはどんな演目がいいかしら、新作を掛けてみようかしら、花形でやろうかしらという月ですね。今パルコ劇場は三谷幸喜さんとご縁が深いからか2012、2013年文楽の新作「其礼也心中」、今年の「君となら」「ショーガール」というラインナップ。

子どもの頃はショーガール木の実ナナさんと細川俊之さんのお二人の舞台でした。私は彼女達の舞台を観てはいませんが、宣伝用のインタビュー記事を読んだことはあります。細川さんは物腰が紳士で美声の男優さんのイメージしかないので、歌って踊るのはどんな感じなのかしらと想像のみでした。

それをシルビア・グラブさんと川平慈英さんのお二人で新しいショーガールとして上演。

22時開演、上演時間60分。昼間は同じ三谷さん演出の「君となら」を上演しているので、セットはそのまま使うのです。君とならは、昭和の香りが残る一軒家が舞台らしく2階に物干し台があるようなセット。入場するとそこでショーをやるというの?というように物干に洗濯物が盛大に干してあるのだ。鈴虫やこおろぎの音も微かに聞こえる。最初から挑戦的な様子に少し驚く。エンターテインメントって制約があるほうが魅力的だから、始まるとどうなるのかしらと逆にわくわく。

そして始まると、洗濯物は幕の代わりだったことがわかり物干し台にベースとドラムがいるし、1階居間のピアノはそのまま使う。引き戸は実は回転扉(裏は鏡面仕上げ)になっていて、欄間や階段に照明が仕込んであり音に合わせて光らせることもできる。

そしてシルビアとじえいさん。今回早めにチケットをとったからかとても前のほうの席で、じえいさんに近かった!トレンチコートがお似合いの身体の厚みと幅。

はじめさらっと芝居の設定はあり、印象的なセリフをメロディに乗せた「ここは東京三鷹市下連雀…」に盛大に吹き出す。お芝居はじえいさんのキャラでもある『二枚目なんだけれども二枚目を演じている三枚目風味』を、とことん活かした設定。

さらに後半20分くらい怒涛のショータイムがあるのだ。あのじえいさんの顔プラス身のこなしの濃さにうまく合うシルビアさんきれい。御御足もつるっとお見せになり、赤い皮のコートをさらっと着こなし、歌い踊ったあとだと暑いのを隠さないざっくばらんなお方…。

先月観た抜目のない未亡人もたまたま三谷さんの演出ですが、今回も深く考えずに楽しみたい真夏の夜にふさわしい記憶に残るステージでした。こういう、無条件に楽しいの好き!サービス精神って観客の本能にストレートに響かないとつまんないし、生理的なものがわかっているということよね!大笑いしてきゃーきゃーいいたくなる、ああいう感じですよ。

終演が23時だったので、じえいさんが「PARCO側もぎりぎりなので、さらっと帰りましょう」とアンコールなし。