住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

プラトニック 第6回

二人だけの世界。ずっと達観、諦観しているもの静かな青年が、声を荒らげるシーンがあって、剛さんはふと見せる野性味が魅力的なのだと思う。思わず大声を出すシーンだ、と予告の段階から楽しみだった。今は役もいい大人なので大声をだしたり感情的にはあまりならないかもしれないけれど、剛さんは感情がずっと揺らぐ役がお似合いなのはわかる。

出家したり隠遁生活を送る人たちは、波乱万丈な半生であるひとが多い気がする。瀬戸内寂聴さんのように。剛さんが半生というのも若すぎるけれど仕事をし始めている年齢が早いから、既にあらゆる経験をしていて青年のような心境にはなりやすいかもと。

沙良さんについては、どこまでも女王蜂でそのまま死にそうな気がする。当初の予想とは反対で彼女が青年の腫瘍を吸い取ったように、代わりに脳腫瘍を発症しドナーになるとかね。

プラトニックというタイトルは、シンクロという意味に近く思える。愛情というより魂の共感、共振。申し訳ないけど、まだこのドラマの中に男女の愛は感じない。即物的にはプラトニックな関係ではなくなり、深層で理解しあっているのに不思議な距離感なのよね。登場人物たちがお互いいたわり合っているのはわかるのだけれどね。

なんだろう。まだ二人とも自己愛にしか見えないからかな。ただ何かを犠牲にすれば男女の愛が醸し出されるわけではない。そこはこれからどのように描かれるのかな。あらゆる意味で二人だけの世界になった。青年は、身体が反応するかもしれないけれど、本心から彼女を欲しているように思えないし。脳腫瘍が好転して生きのびる望みが出てきたことで、また話が動きそうではある。

青年はどこまでも感情の振れ幅が大きく、しかし表情に出すのは極力控えているのがずっと緊張感を生むし、剛さんならではの魅力とあいまってセリフがなくても音楽だけで楽しい。