住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

プラトニック 第2回 

母という檻。ご大層なタイトル。普通な設定じゃない話だけに登場人物それぞれに緊張感が求められ、あまつさえ実際に万引きをする女性客まで出てきて、漠とした不安と期待をあおる。

加賀まりこが老人ホームに入っている叔母の役で年相応に老けていた。あのひとはそれを隠す気はないだろうけれど、なかなかに老け具合が素敵だった。尾藤イサオさん演じる役とね、ということなのね。

プラトニックというタイトルはひたすら意味深で、発表された当初からいわゆる広義なプラトニックという精神的、哲学的な純潔な恋情にとどまらないだろうと勝手に思っている。それではこちらが抱くイメージの野島伸司作品とする必要が感じられないからね。

青年は最初ひたすら諦念が漂うため、まだしん、とした印象。狂言回しの沙良の弟やくっきりしたキャラクターの元亭主、ものわかりのいい壮絶な半生の叔母と話すことで、沙良という女性の状態を周りから明らかにし迫っていく。青年は佇まいと目で女を殺すし、安易に近づく女を含め思いのままだろうという気になる。 

方や沙良は、登場人物男性の全方位な恋情を一身に受けるも、受け流す。母という檻というより、娘という盾があるから尾美としのりさんがやっているのもあるけれど、娘の担当医まで思いのままだ。

この二人がどうなるのか。青年は病気の娘に逃げる沙良の感情を素知らぬふりで揺さぶるのよね。アロマ好きなひとにはアロマオイルのあれこれが楽しそう。