住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

天ぷらやさんに行ったはず…

突然ですが、天ぷら食べてきました。

天ぷらが好きらしいと気付いたのはここ数年。携帯電話の電話帳の「て」のところが天ぷらやさんの番号ばかりになっています。
蕎麦、寿司、天ぷらと外国人が喜びそうなラインナップはもれなく好きですが、蕎麦、天ぷらは、お値段もそこそこで楽しめます。寿司はね、あのいつまでたっても原価が不明でそれがよくって、言い値を支払うスリリングさ加減に慣れません。。
というわけで、この間剛さんが番組内で訪れていた天ぷらやさんにまいりました。あまり下調べもせず、インターネット予約。
5階だてのビルの1階から3階が店舗。1階はカウンター席のみで、2階は個室のようです。予約時間ちょうどに店に着いた私は、友人を少し待たせてしまいました。…。いつもこんなんでごめん。
少し早く着いた彼女の話だと、希望すれば待合室に通されそうだったとのこと。これは、のちほど出てくる3階の話かと?
カウンターから見ると揚げるひとの後ろの壁は緑で、大きく柳の木が墨黒で描かれ、目線のあたり横一線に小さな古美術品が等間隔でディスプレイされています。手のひらサイズの小さな仏像など。壁に埋め込まれたガラスケースで、内部はスポットライトで照らされています。

天ぷらやはたいてい決して広くない店が多いです。今回も後ろは、給仕のため通る店員さんスペースくらいしかない。やはり焼きものかな?ディスプレイされているガラスケースはありましたが。天ぷらは揚げたてをさっさと食べるので、中座するひとがほとんどないからあのスペースでもいいのかも。そしてこの店は、通常より外国人率が高い。フーディーズTOP100 という英語のグルメ本に掲載されています。

私たちの席は一番出口に近いところで、奥のほうまで見渡すのが難しく、ほぼご主人担当ではなかったです。ボルサリーノの換気扇?は目立ちます。
 基本おまかせ。天ぷらタネが書いてある小さい紙が客の手もとにあり、今旬でないタネにはバツがしてあります。
海老かなりレア、美味しかった。白魚10本程度バラがめずらしく、メゴチはコクがありました。ウニを大葉で上下はさんでいるのも、酒のつまみとしていいですね。途中お吸い物があって、野菜2種は、籠に盛られている中から選べました。タラの芽とアスパラ。しいたけも肉厚で美味しそうでした。
最後のアナゴだけは早乙女さんでした。あの揚げ箸で身を切るところは、若い人にお任せしていないのかもしれません。剛さんもアナゴ召し上がっておいででしたね。
天茶か天丼が選べますが、私は天茶、友人は天丼。
ここは器が凝っていて、聞けばいろいろ教えてくれる古道具屋さんのよう。聞かなかったけど。
天丼が入っている二重箱の赤漆の器には驚きました。まさか重箱に天丼が入ってくるとは思わないから。
お客さんを楽しませようという心意気を感じます。
前に番組を見たあとに古道具屋のセレクトショップのようだと書きましたが、いいとこ取りを調和させているのはすごいですね。
デザートは移動して3階で供されました。エレベータで3階に上がるのですが、上がる途中でも、エレベータのドアのガラス越しに階段の踊り場に仏像がたくさん鎮座なさっておいでなのが見えるのですよ。
そして、ふたりきりでごゆっくりと放置されました。いくら靴を脱いで上がる店だからといって、このおおらかさは何事でしょう…。
3階はやはり待合室の風情で、卓が二つ。座布団がたくさんおいてあります。入り口付近に書関係の文具が並べられています。筆はじめあれこれがあって、だんだん説明疲れが…。
3階も季節ごとに美術品?というか調度品は変えるのでしょうね。今回は谷文晁の屏風と百人一首の屏風とが出迎えてくれました。屏風はお店のかたいわく、本物だそう…。
八幡大菩薩の前立がある兜がさらっと飾ってあるのも外国人にはたまらないでしょう。
 
私が好きだったのは、奥のお茶室の壁に(多分)昔使っていた小紋の型紙を壁紙として貼付けてあるところでした。ひとつとして同じ物がないし、穴が開いているところは、埋めて銀色に塗ってある。天井も薄い木の板を10センチ幅くらいで編み込みしている体でしたが、照明が抑えられているのと、茶室建築に詳しくないので細かいところまでわからなかったです。
次第に天ぷらを食べにきたのか、古道具やさんに遊びにきたのか不明になったところで、お会計。外国人を連れて行くのに、特にとてもいいお店ではないでしょうか。