住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

人形浄瑠璃文楽 2014年2月公演 3部

国立劇場 文楽2月公演3部に行ってきました。

おことわり。私はきちんとしていないので、あまり好みでない話や演者でなかったりすると申し訳ないけれどと思いつつ寝ます。それを踏まえて構わないかたはつづきを。

 

ふふ、好きな話や名人だと不思議と眠くても覚醒するのよ。

なので、御所桜堀川夜討は、弁慶上使の段の奥(かな?)の途中から記憶があまりないです。弁慶が腰元信夫(しのぶ:娘)を刺したところで目が覚めた。前に技芸員さんにお聞きしたけれど、クライマックスになったらきちんと目が覚めるのですって。いつも納得。

これは、実の子と知りながら主人の奥方の身代わりとして、首を打って敵方に差し出す、というあまりかなり好みでない話なので、気持ちとしても距離があります。

若い女性や男性にもう目が見えない、声も聞こえないって言わせるのよね。十次郎(絵本太功記)も確かそういうのよね。何度聞いてもね…。

 

本日のメインは本朝廿四孝。

十種香の段 嶋大夫師匠と富助さん。

三つの部屋が並立する舞台で、上手側に八重垣姫がいる仏間、下手側に腰元濡衣の部屋があり、中の間に蓑作(武田勝頼)が居るという構造が視覚的で面白い。

この時観る人は神の視点ね。

品がありながらおきゃんな八重垣姫を簑助さん、しっとり濡衣を文雀さん、美女二人を従える蓑作に玉女さんのキャスティング。八重垣姫もさることながら、蓑作のお人形がかわいらしくて、この凛々しさかわいらしさを人間がやるとファンタジーではなくなるという。。

歌舞伎でも同じ演目があり以前観ました。時蔵さんは文句なく蓑作は難しいね…。文楽のほうが好みなのはバランスがいいから。赤姫である八重垣姫のあの品格を出せるひと求む。品格は、今は備わるのではなく周りも協力して育てないといけないように感じます。役者も現代人だし、放っておいたら擦り切れる。歌舞伎でまたあるのなら観たい気持ちはあります。

奥庭狐火の段 呂勢さん 清治さん

琴が寛太郎さんではなかった!!残念、と自分を納得させました。三味線のかたの琴が好きとは大きな声で言っていいのかわからないけれど、住師匠がそうおっしゃっているからいいわよね。。

清治さんの三味線の音が鋭くて、空間を切り裂くようなイメージ。音のクリアさが私には好ましい。大夫さんとの緊張感がばしばし伝わってくる組み合わせの床が好きなので、現在は、呂勢さんと清治さん、咲師匠と燕三さんが聴きたいでしょうか。住師匠は、お元気でいてくだされば!

この演目は文楽を初めて観るひとに非常におすすめです。

人外(この演目は狐)のものが出てくる話は、動きがあって不思議とそれが爽快感をもたらすのです。