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住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

「ピグマリオン」〜新国立劇場 中劇場プレイハウス〜 11月13日 

舞台

ピグマリオンは、ギリシャ神話に登場するキプロス島の王。自分が創った女性像ガラテアに恋をするようになり、ひとときも像から離れられず、像が人間になることを願った。女神アフロディテはその思いを容れ、像に魂を吹き込む。ピグマリオンは生命を得たガラテアを妻に迎える・・・。

ピグマリオンと言われてもすぐ飲み込めませんでしたが「マイ・フェア・レディ」です。私はオードリー・ヘプバーンの映画をTVで見ました。原作者のバーナード・ショーはミュージカル化に反対していて、生存中は上演が許されなかったそうです。

 

石原さとみさんの舞台に初めて行きました。ご縁があり初日。座席はよかったのですが、私の視力の関係で表情が全く見えない状況でした。今回敢えてそうしてみました。

 

わざわざなぜそうしたのかと改めて考えると、観るより感じたかったからというしかないです。誰が出るのかもあまり知らないようにしていました。

 

石原さとみさんは声も素敵ですし、そのまま精進し突き進んで!ヒギンズ教授のお母様、ミセス・ヒギンズを演じた倉野章子さんの存在感に引き込まれました。扇の要。このかた不在だと、ヒギンズ教授の傍若無人ぶりだけが目立ってしまう怖れもありました。

 

ここまで書いてきて、誰の演技がどうでした!というより、ごめんなさい戯曲が素晴らしいのがすべてです。男に教育され、自尊心が芽生えた女。賭けの対象である、園遊会を無事に終えた終盤のイライザとヒギンズ教授。ここはもうひと踏ん張り、演ずる二人に頑張ってほしい。いいところまで来ている。まだ動きを伴うところの「科白」が、落ち着かない感じなのです。気持ちは溢れかえっているのはわかる。近現代って遠くて近いものなのですね。

思い通りのお人形を創ったのはよいけれど、命が吹き込まれたそのお人形をうっかり愛してしまい、逆襲される、傲慢かつ不遜な紳士。自分がこのレディを創ったのに!自覚が曖昧な中にも千々に乱れる気持ちをかき集めながら、自分の都合のよいように女を自分のほうに引っ張ろうとする身勝手な男がとってもチャーミングで、むっとしましたよ。

そして、それに負けていない女。対等という言葉が陳腐なほど、この時代の他の人には逆に理解しがたい結びつきになりそうな予感を見せてのラスト。

じわじわっときました。