住めば都

気が向いたら、好きな俳優、観劇記録や日常ごとを独断と偏見に満ちた表現で書き散らかしています。思考が合わないかたはごめんなさい。

ドラマ 大奥〜誕生[有功・家光篇]

 2012年10月期の堺さん主演ドラマ。よしながふみさんの漫画が原作です。録画したのを今観ています。

 昨年の今頃は、父が預かってもらっている施設でも明らかに弱ってきているのがわかって、しかしどうしようもない、という状況でした。まだ、皆さんに介助してもらいなんとか食事を摂っていたと思います。

 会社員ですから平日は父に会いに行くのは難しく、介護は母がしておりましたので、私が特に大変だったわけではないのですが、だんだんとドラマを録画していても観る気分ではなく、溜まっていくばかりでした。

 

 堺さんの役は、「有功」(ありこと)。心根が優しく、しかし深謀遠慮がある役がとてもお似合い。公家出身の坊主が還俗して女将軍の御中臈になるという設定なので、時代劇の洗練された立ち居振る舞いが重要で、大きな所作はほとんどなく科白まわしもささやくよう、ほぼ目の演技のみです。
 自分に子種がないため、愛するヒロインが他の御中﨟と寝所をともにする状況になった時のこと。珍しく感情にまかせて抜刀し、自分の部屋を荒らすシーンは、もともとなかったのかカットされたのか不明ですが放送されず、すべてが終わった朝、まるで自傷したかのように、荒んだ部屋に呆然と正座している有功だけを映す演出が、好ましかったです。
 そのヒロイン女将軍家光役は、多部未華子さん。多部ちゃんの若さと瑞々しさと潔さが、将軍としての成長と相まって魅力的に表現されています。